気血とは、東洋医学独特の考え方で
気血が身体を過不足なく巡ることによって
人間は生命活動を営んでいます。
気は陽的で、姿形はないが、その機能は存在します。
血は陰的で、形を持っています。
気は経脈を血に先導して動き、
血が臓腑を循ことで、気を生成するという
相互作用をもっています。
気の作用と種類
気の作用には次のようなものがあります。
推動作用・・・身体の成長発育、新陳代謝などの生理機能をする。
温煦(おんく)作用・・・臓腑、組織などを温める働き
防衛作用・・・皮膚表面において、外邪が入らないように防衛する働き
固摂作用・・・身体の血や水分が外に漏れださないようにする働き
気化作用・・・気が血や津液(水分)、組織などへ変換する働き
気の種類
総ての気は天地陰陽の気が交わって出来ていますが
身体の中で様々な気に変化しています。
代表的なものを上げると
営気(えいき)
営気は飲食物から得られる陰性の気で、津液(体の中の水分)を血に変化させます。血と共に経脈の中を行き、一日に身体を50周巡り、臓腑、組織を栄養します。
血と共に営血とも言います。
衛気(えき)
衛気は胃腸で営気が除かれた後のカスが、命門の火によって燻し出されてできる陽性な気で
経脈の外を素早く巡り、体表面を温めたり、理(肌の肌理のようなもの)を調節し(汗の調節)、外邪の侵入を防ぎます。
日中は陽的な部分(体表面)を25周、夜間は陰的な部分(臓腑経絡)を25周巡ります。
原気(元気)
父母から受け継いだ、先天の精(腎臓に納められてる)が気に変化生成されたもの。先天の精は枯渇しないように飲食物からの後天の精により補充される。生命活動の原動力。三焦によって経絡を巡り、臓腑、組織に活力を与える。
神気
心に蔵されている神の気。すなわち人間の意識活動のこと。目や耳に神気が通じていると、外界からの情報を認識できる。
血について
血は飲食物から脾臓と胃の運化作用によって得られた営気によって、
心臓で津液から生成され、経脈の中を営気に随って流れます。
血が経脈を循ることで、臓腑、組織が滋養されます。
血は夜間は肝臓に蔵され、日中には全身に配分され活動に寄与します。この配分は肝がつかさどっています。
気が動けば、血もそれにしたがって動くため、
経絡治療では主に気の調整に主眼を置いています。
瘀血(おけつ)
経脈の外に漏れ出た、非生理的な血を瘀血と言います。
生理痛など、骨盤内に瘀血がある場合、
期間はかかりますが、
気を動かすことで、瘀血を取り除くように治療します。
捻挫などで体表面にできた瘀血には
刺絡治療によって
直接瘀血を取り除くことで
早期の回復を図ります。