陰陽とは、この世界の森羅万象を静的な院と
動的な陽という2つのカテゴリーに分類する考え方で
宇宙の始まりである混沌とした太極が
静的な陰と
動的な陽とに分かれ
対立的な陰気と陽気とが
交流してこの世界が作られたとしています。
総ての事物は、
その内部に陰と陽という
互いに拮抗しながらも協調する
2気を含有しており
陰陽の統一体として
陰と陽のどちらの性質が強いかによって
陰の部類、陽の部類に分別されます。
陰(静的) | 陽(動的) |
地 | 天 |
下 | 上 |
内 | 外 |
冬 | 夏 |
夜 | 昼 |
血 | 気 |
冷え | 熱 |
慢性 | 急性 |
陰陽の関係
陰陽互根
太極から陰陽が生じたことからモ
分かるように、
陰陽はその存在を互いに依存する関係にあります。
光という陽があるから、
影という陰が存在出来、
また闇という陰があるから
光という陽が存在できます。
陰陽制約
陰と陽は互いに対立する間柄ですが、
統一体を構成する陰陽は
その変化の中で
どちらかが過剰や、
過少になったりしないように
互いにバランスを摂ります。
この機構が人体で破綻すると
陰陽のバランスが崩れ
病気の状態となります。
陰陽消長
統一体を構成する陰陽は
その変化において
量的なリズム変化をします。
つまり
陰虚すれば陽実し
陽虚すれば陰実する
天池間のリズム(自然環境の変化)に
人体のリズムが呼応しないと
陰陽の調和が崩れ
病気を引き起こすことになります。
陰陽転化
陰陽は朝昼夕夜、春夏秋冬のように
周期的に変化しますが、
陰陽ともに限界点があり
陰極まれば陽となし
陽極まれば陰となす
この周期の中で
陰が増大する過程を陰遁(いんとん)
陽が増大する過程を陽遁(ようとん)
と言います。
季節でいうと
夏至から冬至までが陰遁
冬至から夏至までが陽遁
です。
陰陽可分
陰陽二気が交流して出来ている統一体は
陰陽どちらかに分類されるのですが
その統一体の内部も
陰陽に分類でき
総ての事物は
陰陽の多重層構造をなしています。
つまり
陰の中にも陰陽があり
陽の中にも陰陽があるということです。
治療における陰陽
陰陽は、経絡治療において
とても重要な概念で
熱にしても
陰が虚して熱を出しているのか、
陽が実して熱を出しているのか
はたまた
内部が熱しているのか
外部なのか
上なのか下なのか
熱は下がる方向(院遁)なのか
まだ上がる方向(陽遁)なのか
考えないといけないことが
沢山あるのです。